むすめにあんは、決まりや約束事を守る女だ。
特に、記念日をかなり気にしいなので、
家族の誕生日はもちろん、祖父母、叔父叔母、いとこの誕生日も全て把握し、
しっかり「おめでとう」を伝えるのである。
今月は、むすめにあんの誕生日がある。
今年のプレゼントは、つい最近どっぷりハマった「たまごっち」が欲しいとのことで、
「たまごっちスマート」を購入した。
本当に欲しい色は欠品していたため、ピンクを購入。
品切れになったらたまらないので、早めに購入して家の中に隠していたのだ。
宅急便が来るたび、
「それはたまごっち?」
「それは誰宛?」としつこく聞かれた。
「私のスマート、まだ届かないのかな~」とあまりにも確認されるため、
ぱぱらいおんが、「もう届いてるよ」と教えた。
すると…
えっ!!届いてるの!?見たい!!
と、ソワソワし始め、どこにあるか探す!!と家の中を走りだした。
高いところに隠しているため、たぬきが同行することに。
そして、当日までにラッピングしようと裸のままのそれを手渡した。
はぁあはああああ!!!!たまごっちだぁ~~!!!
えらい喜びようだった。
ちょっと前まで、ぷよぷよにどっぷりハマり、
寝ても覚めてもぷよぷよの話しかしなかったむすめにあんが、
突然おもちゃ屋でみてひとめぼれしたたまごっちの世界。
それが、目の前に存在するのである。
これはもう、開封して遊びだすんだろうな、と思った。
箱を持ってリビングに戻り、
付箋をおもむろに取り出し、何かを書き始めるむすめにあん。
真剣なまなざし。
書きあがったメモには、
「たんじょう日まで あけないでね」
と書いていた。
どうやら、ぱぱらいおんが勝手に開けてしまうことを恐れ、
メモをつけておく。ということらしかった。
(父への信頼感よ…(笑))
(名誉のためにいうと、そういうことはしない人だ)
私たちは驚いた。
なんという理性だろうか。
これがもし自分であったら、
絶対に開封し、遊ぶだろう。
ぱぱらいおんも同じだ。
なんて律儀な女なんだろう。
他人との距離感はバグりぎみだし、
ちょっと天然でおもしろだけど、
「こうする」と決めたものは絶対に成し遂げる、
強靭な頑固さを持っているむすめにあんであった。
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