秋の記憶【未知との遭遇】

つぶやき

秋が深まり、冬が近づくこのくらいの時期。

毎年、思い出すことがある。

 

今でこそ笑い話だが、

当時は大変な、それはもう恐ろしい体験をした。

 

そう、未知(露出狂)との遭遇―。

 

それは、高校生の秋

私が通っていた高校は、前期・後期の2期制で、

秋に1週間ほど、学校が休みになる。

 

その休みの期間も、私は部活の新人戦に向け、

夕方5時過ぎまで学校に残って作業をしていた。

 

秋の夕方は、ほぼ夜だ

 

空には、すでに月や星が輝いていて、

空気はシン、と張りつめていた。

 

バスが自宅最寄のバス停へ…

自宅近くのバス停に到着。

バス停から自宅までは、約1キロ。

その道は、住宅街ではあるものの、人通りも車通りも少なく、

外灯と外灯の間隔も、かなり広い。

薄暗くて怖い道なのだ。

 

私は、iPodのスイッチを入れ、

当時好きだった仮面ライダー電王の曲を聴いていた。

 

早く家に帰りたいなぁ、おなかへったなぁ、

他愛もないことを考え、歩いていた。

 

その時、向かいから人影が…

やや下を向いて歩いていたが、

向かい側から人が歩いてくるのが見えた。

あまり背の大きくない、黒い上下の男性。

というところまでは把握できた。

(というのも、私は目が悪かったのだが、普段は眼鏡をしていなかった)

 

だんだん影が近づいてきたのだが、

道は広いのに、真正面から、こっちへ向かってきている?ように感じた。

 

私は、あれ、前の人、前見てないのかな?

ぶつかっちゃうな?

と思い、少し軌道をそらした。

 

はずだった。

 

よけた方向に、おじさんと思しき人よけてくる

おうおうよけるの下手人か?

おっ、あっ、あっおっ…あぁどうもどうも…

ってなるやつか?

と思い、逆側にそらした。

 

しかし、またもおじさんと思しき人は、私に合わせて軌道をかえてくる。

 

こうなると、なんかおかしいのである。

お互いにどんどん進行方向に進み、ついに距離が1メートルくらいになった

目の前におじさんと思しき人。

おじさんの、オーマイリトルおじさんコンニチワさせ、

もぞつかせながら、目の前に立ちはだかっていた。

 

へっ!?

 

短く悲鳴を上げ、重い鞄を背負い、一目散に逃げた。

後ろは振り向いちゃいけない。

重たい鞄の重さも忘れて、必死で逃げた。

 

帰宅後

帰宅して、玄関のカギを震える手でガチャガチャあけて

家に飛び込んだ。

すぐに施錠をして、家の中の電気がついていることに安堵し、

玄関で腰が抜けて座り込んだ。

 

音がしたのに、なかなか入ってこない私を心配して、

ばばくまが、出てきた。

 

あらぁおかえ…アンタどしたの??

 

私の只ならぬ雰囲気に、ばばくまも何かを察したようだった。

泣きながら、座り込んで、セーラー服のボタンがぶちぶちに開いてる状態。

(開いていたのは、鞄を肩に掛けて走ったため重みで取れた)

一瞬ばばくまは、私が乱暴されたのかと思ったそうで、

とても焦った声色をしていた。

 

私は、震える声で、

ろ、露出狂に遭った…見せられただけ…

そして、堰を切ったように大泣きした。

 

体感したことのない恐怖と不安。

帰宅し、母を見たことでの安心。

いろんな思いが入り混じっていた。

 

その後、姉と父が帰宅

すぐ後に姉イグマが仕事から帰宅、そのあとに

じじくまが帰宅してきた。

落ち着いてから、状況を説明し、

じじくまは、

よし、警察に行こうか。お父さんついていくから、今の話できる?と。

 

こうして父とともに、近所の交番へ行ったのである。

 

交番での事情聴取

一度電話で連絡をしてから、二人で交番に出向いた。

若い警官と、ベテランそうな50代くらいの警官。

4人での事情聴取が開始された。

 

露出オジサンの見た目や、どんなことをされたか、

場所や時間帯など、事細かに説明した。

正直、目撃者がいないということ、見た目もよくある

中肉中背、黒づくめの男性、年齢もわからない、顔もわからない、

ということで捕まえたりは難しいけれど、

注意喚起と、パトロールを増やすことで対応していきます。と

ありがたいお言葉をいただけた。

 

事情聴取中に…

ちょっとお下品な話なのだが、

若い警官の方が、

「えーっと、その出してきたおじさんは、

オ〇〇ーしながら歩いてきたってことでいいかな?」と尋ねてきた。

 

言葉のチョイスミスである。

 

思わずそこにいた全員が噴き出した。

私も、「自分で、触りながら向かってきて」って

ちょっと濁した表現をしたのに、だ。

濁した気遣い台無しである。

 

ベテランさんに「おい」って突っ込まれていた。

「お姉ちゃんごめんね、言葉が悪かったね」と謝ってくれ、

その後も話し合いは続いた。

 

あとがき

今はこうして、笑い話にできるし、

夜道に一人歩きは危険だ

ということを教訓として得ることができたが、

もしあの時、逃げられなかったら。

相手が何かしてきたら。

と、考えると、非常に恐ろしい。

 

いざ、大声を出して助けを呼ぶなんて

できっこない。

そんな余裕は、一瞬で消し飛ぶ。

学生時代、もし変なおじさんに遭遇したら、

キンテキして逃げるけどね~(笑)

なんて言っていた自分が恥ずかしい。

何もできなかった。

 

男女関係なく、怪しい人には気を付けよう。

また、怪しい人に決してならないように。

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